[無料(フリー)ビジネスモデル徹底解説] その2. フリーミアムというモデルをあなたのビジネスに活かそう!

2018年12月31日ビジネス,政治と経済クラウドサービス,ビジネス,フリーミアム,無料ビジネスモデル

フリーミアムとは何か?

フリーミアム(Freemium)とはFree(無料)とPremium、(割増)という二つの言葉を合わせた造語です。この言葉は 2009年にアメリカの「Wired」誌の編集長クリス・アンダーソンの著書「Free: The Future of a Radical Price」(邦題:FREE <無料>からお金を生みだす新戦略)で紹介され一躍有名になりました。
フリーミアムとは「基本的なサービスや製品は無料、さらに高度な機能や特別な機能が欲しい一部の人は有料」というビジネスモデルです。要するに一部の有料顧客が無料ユーザ分も支えているのです。

また、余談ですがクリス・アンダーソンは自らの著書をこのビジネスモデルで販売し、著書はベストセラーになりました。

 

フリーミアムを利用したビジネスは?

代表的な例はオンラインゲームがあります。普通にオンラインゲームをするユーザーは無料、そのゲームをさらに楽しむために会員登録する人や特別なアイテムを購入する人は有料。

これは提供する機能に差をつけることにより無料/有料を実現しています。フリーミアムにはこの差の付け方により、大きく5つのタイプに分かれます。

 

フリーミアム1.時間制限/回数制限を付ける。

ソフトウェアの無料使用期限やオンライン英会話の無料回数付与などがこのモデルに当たります。ユーザーがそのサービスを試すためのハードルがグッと下がりますが、その反面、本気でそのサービスを利用する気がないユーザーも集まってくるという弊害もあります。

 

フリーミアム2.機能に差をつける。

先ほどのオンラインゲームの例もこのタイプです。その他、クラウドサービスを提供する会社の多くもこの戦略をとっています(保存容量15GBまでは無料、容量増加は有料など)。またインターネットを使用したビデオ電話サービスのスカイプもこれに当たります。(スカイプユーザへの通話無料、電話への発信は有料)

このタイプのモデルの難しい所は無料版と有料版の機能のバランスです。無料版の機能を削りすぎてしまうと誰も利用しなくなります。半面、無料版の機能を充実させすぎると誰も有料版を購入してくれなくなります。

 

フリーミアム3.人数制限をかける。

これは使用できる人数も機能の一つと考えればタイプ2に含まれますが、この手法を採用しているサービスが多いので別にしました。例としてクラウドでのチャットサービスなどがこれに当てはまります。(同時チャット5ユーザまで無料など。)

このタイプの注意点は何処まで無料にするかです。もし同じようなサービスを提供するライバル会社があれば、当然無料となるラインをけん制しあうことになり、低価格競争に陥るリスクもあります。

 

フリーミアム4.ユーザ別に逐次差(無料/有料)をつける

料金は取れるところから取るという考え方です。例としては顧客企業の売上高や規模に応じたソフトウェア使用料を徴収するといったものがあります。

このモデルでは顧客の情報を管理し、正しく料金を徴収することが難しくなる点に注意が必要です。

 

フリーミアム5.上記1-4の複合型。

企業は少しでも多くのユーザーにリーチでき、さらに料金を確実に徴収できるよう、上記手法を取り入れた最適なモデルを構築し、ビジネスを通して最適化していきます。

 

今回は無料ビジネスモデルの一つ「フリーミアム」の紹介でした。IT技術の進歩とともにサービスを提供する限界費用が低下したこの時代、無料ビジネスモデルを使用する機会はさらに増え続けるのではないでしょうか。